2016/04/10

【建築】立地環境をダイレクトに取り込むデザイン 匠建築研究室の「笠松運動公園第1トイレ」


 茨城県は、2019年秋に県内各地で開催される第74回国民体育大会(いきいき茨城ゆめ国体)の会場となる笠松運動公園(ひたちなか市、那珂市、東海村)で、施設の改修や改築を進めている。
 中でも改築する複数の屋外トイレの設計は、茨城県建築士事務所協会が50歳以下の若手建築家を対象に14年度、公募型プロポーザルを実施し、最優秀賞に匠建築研究室(水戸市、上久保博隆代表)を特定している。

 同研究室が受託したのは、第1と第5のトイレ。第1トイレは、敷地を東西に貫くイチョウ並木北側にあり、そこから南に向けて道が延びている。
 この位置関係から同研究室は「軸線や抜けを意識し、敷地の環境をダイレクトに取り込むことにした」。男性用と女性用のトイレの間にスペースをつくり、南北の道からトイレ北側にある補助陸上競技場が見通せるようにした。
 また、園内は「ランニングやウオーキングをする人々がいて、休憩や待ち合わせにも利用できるよう」水飲み場や足洗い場、軒下広場も設置した。
 並木側は県章に使われている青色であしらい、側面は白みがかったグレーとした。工事は15年度に進み、3月19日から供用を開始した。
 一方、第5トイレは奥まった場所の広場内にあることから裏表のないデザインで設計をまとめた。工事は16年度を予定している。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿